原子層反強磁性体で観測されたスピン・フロップ転移の磁気ヒステリシスに関する論文

(Fe1-xCox)5GeTe2は、Coの置換率xに応じて、垂直磁気異方性を持つ強磁性体から面内磁気異方性を持つ強磁性体、さらにxが0.4以上になると、面直反強磁性体になることが知られていました。この論文では、薄膜デバイスでも同様の性質が保たれること、垂直磁気異方性が薄膜の方が強いことを見出しました。さらに反強磁性体では、面直磁場を印加すると2.5 T付近でスピンフロップ転移を示しますが、そこにヒステリシスが現れることを発見しました。この特性を利用した新しい機能を持つ原子層デバイスへの応用が期待されます。本研究は沖縄科学技術大学院大学の岡田佳憲准教授との共同研究です。Applied Physics Letters 122, 152402 (2023).