異方性を考慮したスピンホール伝導度

層状ディラック半金属PtTe2を機械的に剥離した系で、スピンホール伝導度とスピン拡散長を定量的に算出しました。面内方向と面間方向に大きな異方性がある層状物質では、通常の3次元等方モデルで解析すると、スピンホール伝導度とスピン拡散長を過大評価してしまうことを明らかにしました。また適切な解析を行うことで、遷移金属であるPtと同様、内因性機構から外因性機構へと移り変わるクロスオーバーが現れることも明らかにしました。本研究は、東北大学金属材料研究所の酒井英明教授、大阪大学大学院理学研究科物理学専攻の越智正之准教授、東京科学大学理学院物理学系の石塚大晃准教授との共同研究です。Physical Review B 113, 104408 (2026).

2025年度博士論文・修士論文・卒業研究発表会

2月上旬から下旬にかけて博士論文公聴会(中村瞭弥さん)、修士論文発表会(小野由喜さん、岸木克将さん、田端佑伍さん、二階堂夏海さん、山田和輝さん)、卒業研究発表会(卯野循大さん、田村聡規さん、塚田景太さん、冨金原正麿さん)が行われました。発表した皆さん、お疲れ様でした!!どれも素晴らしい成果、発表でした。田村聡規さんは卒業研究優秀発表賞を受賞されました!!(写真追加)おめでとうございます!!

磁束誘起ゼロ磁場超伝導ダイオード効果

原子層超伝導体PtBi2においてゼロ磁場超伝導ダイオード効果を観測しました。その起源が超伝導体にピン留めされた磁束であることを明らかにしました。本研究は、大阪大学の工藤研究室松原研究室との共同研究です。Physical Review B 112, 235313 (2025).

音波が誘起する量子化電流

音波の一種である表面弾性波によって、電荷密度波状態を示す一次元鎖化合物NbSe3にひずみを与えることで、電流電圧特性に量子化を示すプラトー構造が出現することを発見しました。この結果は、ひずみによって誘起される量子化電流の研究を進展させ、ひずみ誘起を用いたデバイス応用への道を開くものです。この論文はPhysical Review Letters誌にEditors’ Suggestionとして12/16に公開されました。Physical Review Letters 135, 256304 (2025).

本研究はプレスリリースを行いました。詳しくはこちらをご覧ください。また、2026年1月1日付の科学新聞にも掲載して頂きました。さらに、2026年2月13日付で科学技術振興機構(JST)アジア・太平洋総合研究センターのScience Japanにも英語の記事を掲載して頂きました。