原子層デバイス (Atomic layer devices)

通常の3次元系と異なり、次元が低くなると、特異な現象が現れます。このような系は「低次元系」と呼ばれ、物性物理の分野では古くから研究されてきました。これまで低次元系を実現できる系として、主に半導体ヘテロ接合を用いた2次元系、さらにゲート電極などで狭さく化した1次元系などが研究されてきました。21世紀に入って、2次元グラファイト(グラフェン)が発見されて以来、グラファイトのように劈開性のある結晶を機械的に剥離することで、理想的な2次元系を比較的簡便に得られるようになりました。当研究室では、超伝導や磁性などの特性を示す結晶を、グラフェンと同様に原子レベルまで薄くしたデバイスに加工して、原子層デバイス特有の物性を観測します。その一例として以下のような論文が挙げられます。また一部の論文については、プレスリリースをご参考ください。

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スピン流とスピンゆらぎ (Spin current and spin fluctuations)

スピン流はスピン角運動量の流れであり、電子の電荷とスピンの2つの自由度を取り扱うスピントロニクスの根幹を担います。多くのスピントロニクス研究では、スピン流を用いた低消費電力デバイスの開発が中心に進められています。一方で当研究室では、スピン流を用いて固体素子中のスピンのゆらぎを高感度に検出すること、さらにその学理の構築を目指しています。その一例として以下のような論文が挙げられます。また一部の論文については、プレスリリースをご参考ください。

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量子電子光学実験 (Electron quantum optics)

量子光学の分野では、光子の量子状態を操作する先駆的な実験が行われてきました。私たちは、固体中の電子を用いて同様の実験を行う量子電子光学の研究に取り組んでいます。量子電子光学では、量子光学とのアナロジーを活用しつつ、光子(ボソン)と電子(フェルミオン)という異なる種類の粒子が示す振る舞いの違いを明らかにすることを目指しています。特に、表面弾性波によって半導体中を運ばれる単一電子と電圧パルスによってプラズモンとして励起される単一電子、2種類の異なる性質を持つ単一電子(励起)に着目し、それらの量子制御技術の研究に取り組んでいます。飛行電子のダイナミクスを解明することで、電子を用いた新しい量子回路の実現を目指しています。

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